泥まみれで中学生ら清掃ボランティア
一心不乱にスコップを振るう少年たちの運動着がぐっしょりと泥にまみれた。浅野川のはんらんで深刻な浸水被害が広がった金沢市中心部の浅野川周辺地域。被災者の力になりたいと志願した中学生らが三十日も家屋の清掃作業に励んだ。「一日も早く営業を再開したい」。泥だらけの奮闘に後押しされ、失意の中にあった被災者も復興に向け力強く動き始めた。
同市兼六中は二十九日から、各部活単位で生徒有志が復旧支援に乗り出している。東山一丁目で味噌(みそ)店を営む柴原千尋さん(50)方には、前日に引き続き同中サッカー部員約四十人が訪れた。生徒は運動着を泥だらけにしながら、道具蔵や居間にたまった泥をスコップですくい取ったり、家財道具を水洗いする作業などに取り組んだ。
部活仲間の応援を受け、柴原さんの長男瑠偉君は「初日は途方に暮れていたけど、みんなが突然助けに来てくれた時は心強かった。人のつながりの大切さを実感した」と話した。
主計町の「なべ 太郎」でも、兼六中生徒が後片付けを手伝った。五十五年前の水害でも被災している女将(おかみ)の松村多美子さん(73)は「被災当初は『またか』と暗い気持ちになったが、子供たちの姿に勇気付けられた」と一刻も早い営業再開を誓った。
部員宅の清掃作業に当たったバレー部長の吉村彰志君(14)は「困った時に助け合えるのが本当の仲間。日ごろのチームワークが作業に生かせた」と満足げ。生徒の奮闘ぶりに、普照豊校長は「自発的に手伝っている姿に感銘を受けた。彼らを誇りに思う」と話した。
同市中心部では、二十九日に小将町中の野球部と卓球部の約三十人が被災家屋の後片付けに協力。三十一日には鳴和中野球部の約三十人がボランティア活動を行うほか、浅野川中は河川敷のごみ拾いを検討している。
被災地には県外からの「応援部隊」も。柴原さん方には、旧友の白井啓さん(59)が山梨県から駆け付け、前日から復旧作業を手伝っている。白井さんは「電話口で『もうだめだ』と落ち込んでいたので、元気付けなくてはとの一心で駆け付けた」と話し、泥で汚れたふすまを洗う作業などに励んだ。
昌永町や瓢箪町でも、金沢市社会福祉協議会などのボランティアが側溝にたまった泥水を取り除いたり、重機で廃材を処理する作業に追われた。
三十一日も、県立高校七校の生徒約百人が被災地でのボランティア活動を予定している。
(北國新聞・2008,7,31)



一心不乱にスコップを振るう少年たちの運動着がぐっしょりと泥にまみれた。浅野川のはんらんで深刻な浸水被害が広がった金沢市中心部の浅野川周辺地域。被災者の力になりたいと志願した中学生らが三十日も家屋の清掃作業に励んだ。「一日も早く営業を再開したい」。泥だらけの奮闘に後押しされ、失意の中にあった被災者も復興に向け力強く動き始めた。
る浅野川が氾濫(はんらん)。市内二百八十二戸で床上浸水、二百七十四戸で床下浸水した。市災害対策本部は土砂崩れの恐れがあるとして午後四時十五分、芝原町の十二戸に避難勧告。同日午後九時二十分現在、自主避難を含め四十七人が湯涌小など四カ所に避難している。
前線の影響で石川県内は二十八日未明から朝にかけて、記録的な大雨となった。金沢市では中心部を流れる浅野川が氾濫(はんらん)し、市は災害対策本部を設置し、流域の二万世帯五万人に避難を指示した。

